公聴会

博士後期課程公聴会 (木戸 聡史)

日時
平成31年1月24日(木) 13:00-14:30
場所
自然科学系総合研究棟1 403室
発表者
木戸 聡史
題目
身体運動と呼吸負荷を組み合わせたトレーニング時の呼吸循環応答と生理学的効果の特徴
主査
中川誠司 教授
副査
下村義弘 教授,鈴木昌彦 教授,兪文偉 教授(指導教員)
要旨
呼吸機能と心肺持久力を向上する方法として身体運動と呼吸負荷を組み合わせたトレーニングは過去に報告されていない.本論文では,マスクタイプデバイスを用いて,吸気負荷,呼気負荷,および身体運動を同時に行う運動時呼吸負荷トレーニング方法の確立を目指し,そのトレーニング時の呼吸循環応答と生理学的効果を検証した.
本論文では,まず運動時呼吸負荷トレーニングの継続により従来トレーニング群と比較して,呼吸筋機能と有酸素性能力の向上効果が高いことを明らかにした.また,呼吸補助筋の筋活動動態と呼吸フローパターンの解析を行い,従来法と比較して吸気補助筋活動が亢進することと深くゆっくりとした呼吸パターンが見られることを解明した.さらに,トレーニング中に正確に計測することが不可能であるが,呼吸機能に大きな影響を及ぼす横隔膜の活動を定量化するため,呼吸時筋-骨格胸郭モデルを構築し,横隔膜の活動を推定した.その結果,従来トレーニングと比べて,運動時呼吸負荷トレーニング時,横隔膜が大きく活動することを確認した.これらより,運動時呼吸負荷トレーニングの有用性が示された.