公聴会

博士後期課程公聴会 (桑江豊)

日時
平成27年7月13日(月) 16:10-17:40
場所
自然科学総合研究1号館 3階セミナー室
発表者
桑江豊
題目
ウェアラブルモーションセンサを用いたリハビリテーション運動機能評価における臨床応用の研究
主査
五十嵐辰男 教授
副査
下村義弘 教授,並木明夫 准教授,川平洋 准教授,兪文偉 教授(指導教員)
要旨
超高齢化が進み,介護保険認定者が増加する現代において,運動機能や歩行機能の低下を予防するためには,生活習慣病と共に老年症候群を積極的に予防することが重要であり,リハビリテーションの必要性が高まっている.リハビリテーションの対象者に適切な介入を実施するためには,適切な臨床判断を行うことが重要となるが,臨床判断は療法士の知識・経験,主観的な観察,権威者の意見が多く,その判定基準はいまだ科学的根拠に乏しい.科学的根拠に基づいた医療が提唱され,定量的な評価方法として3次元解析装置や重心動揺計,床反力計を用いた研究が進められている.しかし,大規模で高価な装置が必要であり,臨床現場で用いるには限界がある.一方,低価格で高精度,小型化の加速度センサ・角速度センサが開発され,理学療法の客観的評価として期待されている.
本研究では,客観的・定量的な評価が行える加速度センサ・角速度センサを組み込んだウェアラブルモーションセンサを用いて,理学療法で一般的に用いられる10m歩行,TUG(Time Up & Go Test),FSST(Four Square Step Test)の評価を行い,その有用性を検討した.また,長期間の理学療法評価の応用を検証するため,介護保険認定者の3ヶ月間の運動療法実施前後の10m歩行評価を行った.その結果,歩行速度の改善とウェアラブルモーションセンサの信号情報から,歩行周期,歩行率,歩行中の股関節角度,歩行周期の対称性の改善を定量的に判定し,臨床応用の有用性を示すことができた.