公聴会

博士後期課程公聴会 (Jose Gonzalez)

日時
平成24年1月23日(月)
場所
発表者
Jose Gonzalez
題目
Development of a Novel Non-invasive Sensory Substitution Scheme for Prosthetic Applications Using Auditory Display
主査
田村俊世 教授
副査
五十嵐辰男 教授,栗城真也 教授(東京電機大学 先端光学研究所),山本悦治 教授,兪文偉 教授(指導教員)
要旨
上肢切断者は,その運動機能のみならず感覚機能も失っている.日常生活における生活支援にとっては,感覚機能の代行も不可欠である.これまでの感覚機能代行の研究分野においては,運動機能の代行を果たす義手の把持運動時の触覚を電気刺激,機械刺激でフィードバックする研究,及び視覚に頼って運動覚(Kinesthesis)をフィードバックする研究が主流であった.しかし,前者には情報量が少ない,直感性に欠けるなどの問題点があり,後者には,認知負荷が高く,日常生活での使用に適しないといった問題点がある.さらに,感覚機能代行の評価には目標達成時間,スコアなどのパフォーマンス評価のみが用いられており,精神作業負荷(Mental Load)や注意などの認知的側面は考慮されていない.
本研究は,日常生活における運動・感覚機能代行を目指し,音響ディスプレイ(Auditory Display)を用いて,上肢動作の到達・把持運動時の触覚,運動覚を使用者にフィードバックする感覚機能代行法を提案,検証したものである.また心理生理学における生体信号モニタリング手法,アンケート手法を用いて,感覚機能代行の認知的側面を客観的,主観的両面から評価を行った.パフォーマンス指標,及び心理生理学指標によって,異種複数感覚情報伝送においては,適切な音響ディスプレイは視覚に相当する感覚情報フィードバック能力を有することが立証された.また,主観的評価に用いられたアンケート調査と客観的評価に用いられた生体信号モニタリングの比較によって,感覚機能代行の評価に適する生体信号チャンネルが存在することが示された.