公聴会

博士後期課程公聴会 (小郷 直人)

日時
平成22年7月29日(木)
場所
フロンティアメディカル工学研究開発センター B号棟1階会議室
発表者
小郷 直人
題目
UHF帯ディジタル放送受信用小形ループアンテナに関する研究
主査
橋本研也 教授
副査
山本悦治 教授,高橋応明 准教授,伊藤公一 教授(指導教員)
要旨
携帯端末の普及と高機能化に伴い,ワンセグ用の小形アンテナが必要とされている.UHF帯のうち470MHz〜770MHzの帯域を使用するため,携帯端末が波長に比べて小さく,低い周波数チャンネルにおいても共振する小形アンテナの開発が必要となっている.利用者の利便性から携帯端末の筐体に内蔵可能なアンテナが望ましく,携帯端末は一般的に直方体であること,端末内部に電子回路が入っていることからループアンテナを適用することが考えられる.既存の技術として,微小なループアンテナなどがあるが,利得が小さく狭帯域であり利用することは難しい.
本論文では,ループアンテナの導線部を周方向に折り返すことで小形化し,低い周波数帯に高次モードを複数持つ,折返し型方形ループアンテナを提案している.最初に,形状パラメータと電気特性の関係について定量的に説明し,その妥当性をアンテナ試作,測定により示している.次に,方形のループ形状において短辺よりも長辺における折り返し回数を増やすことにより,高次モードをより低周波数化し複数利用できることを示し,さらに,折返し型方形ループアンテナと電子同調回路とを組み合わせることにより,広帯域化できることを示している.