公聴会

博士後期課程公聴会 (大西 輝夫)

日時
平成17年7月14日(木)
場所
フロンティアメディカル工学研究開発センター B号棟1階会議室
発表者
大西 輝夫
題目
Specific Absorption Rate Measurement for Personal Radio Devices Used in Close Proximity to the Human Body
主査
伊藤公一 教授(指導教員)
副査
八代健一郎 教授,蜂屋弘之 教授,吉村博幸 助教授,高橋応明 助教授,小川晃一 特任教授
要旨
携帯無線機器からの電磁波がどのくらい人体に吸収されるかを評価する指標として,比吸収率(SAR)が広く用いられており,人体側頭部使用時の携帯電話の適合試験においてもSAR測定が行われている.近年では,無線LAN等の普及により携帯電話より高い周波数における測定法の検討も行われている.
本論文ではまず,3 GHz - 6 GHz帯でSAR評価が可能となる生体等価な固体ファントムを開発し,その有効性を確認した.更に,10 GHzまでアンテナ特性評価にも用いることが可能であることを示した.次に,このファントムを用いて,3 GHz以上におけるサーモグラフィ法によるSAR評価の検討を行った.周波数が高くなることによる熱の冷めによる影響を定量的に評価し,その補正方法の提案を行い,有効性を確認した.一方,適合試験に用いられているSAR測定についても検討を行った.まず,3 GHz以上の測定において低誘電率のファントム容器がSARに与える影響を定量的に評価した.更に,人体側頭部以外で使用される携帯無線機器からのSAR評価を目的に検討されている平板形状ファントムについて検討を行った.最後に,測定時間の短縮を目的として表面の2次元測定より3次元SAR分布を推定する方法を提案し,数値計算により妥当性を示した.
以上,本研究成果は,今後より普及が見込める高周波数帯において,研究・開発・適合試験等のSAR測定に広く貢献するものと考えられる.