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研究室紹介
研究室紹介

山本研究室では,磁気共鳴撮影(MRI)装置や超音波診断装置に代表される画像診断装置の新しい応用分野の開拓を目指し,研究を行っています.例えば,拡散強調を用いたfunctional MRIの機序を,独自に開発した高速画像生成シミュレータやRFプローブシミュレータにより定量的に解析することで,計測精度を向上させる方法論を研究しています.また,従来の超音波診断装置では,超音波が組織の境界面から反射する様子や,血液などの動きに関する情報を画像化します.これらに加え,組織の硬さ自体を計測できれば,従来とは異なる診断情報が得られる可能性があります.近距離音場特性に優れた新規な探触子と3次元画像処理技術とを組み合わせ,これまで診断が困難であった臓器を対象に,早期診断技術の確立を目指しています.

山本研
functional MRI(左)と画像生成・RFプローブシミュレータ(右)

羽石研究室では,多次元イメージングとマルチモダリティーイメージングの研究を進めています,前者は空間的高次元,時系列,分光等により,高次元被写体情報を収集・処理する技術の研究開発です.例として2次元の時系列MR画像群から4次元MR画像を構築する研究が挙げられます(図左.実際は動画像として動きます).マルチモダリティーイメージングの研究では,X線画像,CT,PET等の医用画像モダリティー(診断装置)を対象に,それらの位置座標を統合し同時利用することで,高度な診断や治療を支援する研究です.たとえば,胸部のCTとSPECTの非線形画像融合(図中央)や,X線透視像とCTの組み合わせによる膝関節骨部の時系列データの取得と解析(図右)などを行っています.

4次元MRI   胸部のCTとSPECTの非線形画像融合(CT:白黒画像,擬似カラー画像:SPECT)    X線透視像とCTの組み合わせによる膝関節骨部の3次元構造と動き
4次元MRI(左),胸部のCTとSPECTの非線形画像融合(中央),膝関節骨部の3次元構造と動き(右)

大沼研究室では,眼科領域での新しい測定方法と装置の開発を行っています.眼球光学系の光学特性を知ることで,その人が見ている像を知ることができます.写真の開放型瞳孔計は外界を見ている時の瞳孔の大きさを測定するためのものであり,この他にも眼内レンズ,コンタクトレンズ,眼鏡,レーシック眼の見え方のシミュレーションをする装置,方法を開発しています.また,眼底計測により,網膜の状態を知ることができ,写真は3次元構造を示しています.この他に,視神経の厚み計測装置の開発をしています.

開放型瞳孔計    眼底OCT画像からの病変部の立体構築
開放型瞳孔計(左),眼底OCT画像からの病変部の立体構築(右)

菅研究室では,医療研究機関や医用機器メーカ等と連携して,従来装置では得ることができなかったり困難であった診断や治療に役に立つ情報を取得可能にする機器や手法に関する研究をしています.具体的には,磁気共鳴撮像(MRI)装置を用いた生体組織の硬さ分布測定システムの研究開発や高感度・高解像度を実現する陽電子断層撮像 (PET)装置の最適システム設計と評価,次世代PET装置用要素技術の研究開発などをしています.

MR弾性率分布画像と弾性波画像  高速撮影法による心臓MR画像
硬さが異なるファントムと弾性波画像,MR弾性率分布画像(左),高速撮影法による心臓MR画像(右)

山口研究室では,医療現場で用いられる信号や画像を解析・処理し,診断や治療を補助する手法やシステムを開発しています.特に,人体への影響が少なく,体内の様子をリアルタイムで観察できる超音波診断をメインテーマとしています.診断装置から得られた画像や信号と生体構造との関係を明確に関連付けるために,肝臓や心臓などの生体組織が持つ音響的な性質の詳細な計測,病変の進行に伴う生体構造変化の計算機シミュレーション,超音波エコー信号からの病変組織情報の抽出処理などを複合して検討することによって,様々な疾患に対する新しい“定量的な診断法”の実現を目指しています.また,X線CTなどの複数種の医用画像に対して3次元・4次元の処理を施し,治療部位の位置を特定する研究なども行っています.

肝臓中の病変組織構造の描出    可視化された右心房中の血栓
肝臓中の病変組織構造の描出(左),エコー信号解析により可視化された右心房中の血栓(右)


五十嵐研究室では,内視鏡画像処理と手術機器を中心に研究をしています.内視鏡画像処理では,消化管や尿路のような細長い臓器の内腔を内視鏡で撮影しながら,一枚の立体画像を作成する技術を研究開発しています.この手法をもちいると内視鏡で臓器の硬さ,口径,動きなどを記録できるようになり,内視鏡診断の精度を向上させると考えられます.また,この技術を応用した腹腔の広い空間のパノラマ画像に,術前のCT画像を重ねて,血管やリンパ節などを見えるようにするシステムも研究開発しています.手術機器では,手術用はさみの握り部分を工夫して,従来のものより剥離性能の高いはさみを研究開発しています.これは,これまでにグッドデザイン賞を受賞しています.

大腸の立体画像 グッドデザイン賞を受賞した手術用はさみ
大腸の立体画像(左),グッドデザイン賞を受賞した手術用はさみ(右)

林研究室では,低侵襲化・機能温存外科治療に関連した医療技術の開発・解析をテーマとしています. (1)蛍光化ナノ粒子を用いた癌リンパ節転移検出法(センチネルリンパ節ナビゲーション法)の開発,(2)新しい外科手術機器の生体組織に及ぼす影響の詳細解析,(3)CT画像の3次元解析データに基づいた低侵襲化外科治療の特性解析の3つが研究の中心になっています.いずれの研究も小動物から大動物等の生体を用いた検証実験,あるいは臨床データ・検体に基づいた解析が本研究室の特徴となっています.

マウスを用いた蛍光化リンパ節トレーサーの動態解析 超音波凝固切開装置のキャビテーションによる腸管組織の損傷 鏡視下手術において損傷をきたしやすい腹部血管構築
リンパ節トレーサーの動態解析(左),キャビテーションによる腸管組織損傷(中),腹部血管構築(右)

中村研究室では,コンピュータ・メカトロニクス等の先端工学技術による外科手術支援,新しい治療法の開拓など,次世代の臨床医工学への貢献を目指し研究を行っています.内視鏡外科手術や再生医療などの低侵襲外科手術を支援する多機能手術機器・手術ロボットシステム,診断画像等の医療情報を元に治療部位への精密な誘導や危険部位の回避を実現する手術ナビゲーションシステム,手術室内情報をデジタル化/分析し治療の情報戦略を支援する手術情報システムの研究を,臨床家との協力の下に推進しています.

手術用近接覚ナビゲーション   手術情報システム
手術用近接覚ナビゲーション(左),手術情報システム(右)

中口研究室では,バーチャルリアリティと画像処理技術を使った医療訓練,医療支援システムの研究開発を行っています.医療訓練では触診や聴診といった検診訓練から,穿刺手技の訓練,そして低侵襲手術の訓練システムを実現するため,高リアリティ再現,軟性臓器の変形モデル構築,生体特性計測などのテーマに取り組んでいます.一方,医療支援のテーマとしては,まず低侵襲手術の支援としてプロジェクターカメラシステムを使って仮想的に体表を透過させる新しい手術システムを提案しています.また,計算機を使った画像解析による画像診断支援や,色彩解析による内視鏡診断支援,視診支援などにも取り組んでいます.

穿刺訓練シミュレータ  低侵襲手術訓練シミュレータ  透過型腹腔鏡下手術システム
穿刺訓練シミュレータ(左),低侵襲手術訓練シミュレータ(中),透過型腹腔鏡下手術システム(右)


伊藤・齊藤研究室では,電磁波(電波)と人体の相互作用について研究をしています.これは,電磁波が私たちの体にあたったら,そのエネルギーはどのように吸収されるのかを調べることとや,また,電磁波のエネルギーが吸収されることによる温度上昇を積極的に利用しようとするものです.写真1は,MRI装置(左図)で女性腹部の断層画像を撮像するときに,体内で吸収される電磁波のエネルギーをコンピュータでシミュレーションした結果(右図)です.写真2は,私たちの研究室で開発した電磁波エネルギーを使ってがん患部だけを加熱して治療するための装置(アンテナ)を臨床使用しているところです.

人体頭部における電磁波エネルギー吸収量(SAR)分布評価    治療用マイクロ波アンテナ
MRI装置利用における電磁波エネルギー吸収量分布評価(左),治療用マイクロ波アンテナ(右)

高橋研究室では,医療情報を無線通信によって伝送する研究をしています.入院患者や在宅医療では医療装置を装着しているために動けない場合が数多く存在し,それによる二次的な疾患などが問題となっています.患者のQoLを向上させるために,体表または体内に付けたセンサからバイタルデータを無線で通信する研究を行っています.例えば,図1のように次世代カプセル内視鏡への無線電力伝送および画像の高伝送速度の研究を行っています.図2のようにRFIDを用いた患者情報システムや,医療機器管理システム,排尿検知システムの研究をしています.

次世代カプセル内視鏡への電力伝送    リストバンド型RFID
次世代カプセル内視鏡への電力伝送(左),リストバンド型RFID(右)

岩坂研究室では,物理フィールド(磁場)の生体効果の研究を進めています.例えば,10テスラ近い強磁場で水面の二分現象(モーゼ効果)というサイエンスとしても興味深い現象を発見するなど,生命現象を工学的におもしろく研究することをモットーとしています.また,医学と工学を融合するために,タンパク質や細胞を磁場でならべる技術の開発を人工血管壁などの形成に役立て,高齢化するともろくなるのが心配される骨の形成維持を磁場でなしとげ,ひとびとの健康に役立てる工学技術を目指しています.そして,心臓血管ネットワークが発生する“リズム”が,身体運動や情動の変化にどのように影響するか,近赤外線(NIRS)とよばれる最新技術を応用した研究も行っています.

磁場による水面の分割:モーゼ効果   骨形成の磁場制御:磁場制御なし 破骨細胞形成の磁場制御:10テスラ磁場
磁場による水面の分割:モーゼ効果(左),破骨細胞形成の磁場制御(右)


田村研究室では,生命の維持はもちろんのこと高いQOL(Quality of Life:生活の質)やROL(Respect of Living:尊厳ある生活)を維持したまま生活を送るための支援技術・機器に関する研究を行っています.例えば,健康を維持し肥満を防ぐために必要なエネルギー代謝量や運動量を計測する機器,QOLを著しく低下させる骨折を防ぐための転倒用エアバッグなど予防技術システムの開発,電気や磁気,熱流などを利用した診断技術システム,リハビリテーション訓練機器にアミューズメントの要素を取り入れた福祉・介護システムの開発などを行っています.

簡易エネルギー代謝量測定装置   在宅健康管理システム
簡易エネルギー代謝量測定装置(左),在宅健康管理システム(右)

兪研究室では,以下の3項を中心に,研究をしています.1) 生体計測と解析を行い,特定動作における生体の知覚,情報処理,運動制御メカニズムの探究【実例:歩行中外乱に対する反射の計測と解析,手のリーチング動作と把握動作の計測と解析】2) 生体機能を補助する機器の開発【実例:機能的電気刺激(FES)を用いた半身麻痺患者歩行補助システムの開発,手術支援ロボットの開発】3) 生体機能補助機器を用いるリハビリテーションおよび機器の臨床評価【実例:FESを用いる上肢や下肢の集中的訓練,前腕筋電義手の臨床評価】

歩行時反射実験   筋電義手の制御実験
歩行時反射実験(左),筋電義手の制御実験(右)

大須賀研究室では,周産期母子医療を医工学で支援しています.妊婦が胎児の異常に気付いても,触れることのできない胎児の診断は困難を伴います.そのため胎児の病気を診断する方法を改良しています.臍の緒の血液(臍帯血)は,骨髄で白血球や赤血球を作る細胞(造血幹細胞)を含んでいるため,白血病などの血液の病気を治療できます.出産時に母親から臍帯血を分けてもらって,保存剤を用いて保存しますが,治療の時はこの保存剤が原因となって,患者さんに肝機能障害等の副作用をまれに起こしてしまいます.保存剤は多くの分野が抱える問題です.造血幹細胞を保存するための,副作用の少ない保存剤を研究しています.

造血幹細胞からできた直後の赤血球   造血幹細胞からできた直後の白血球
開発した保存剤で保存した造血幹細胞(骨髄細胞)が赤血球や白血球を作っている様子

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